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【政治】大阪都構想、反対多数で否決へ【住民投票】

令和2年11月1日、大阪市において「大阪都構想」の住民投票が行われました。

大阪府と大阪市の二重行政を解消することを目的とし、大阪市を解体し4つの特別区に分けることについて大阪市民に賛否を問うための住民投票でした。

5年前に引き続き、2回目の住民投票となります。

結果は、賛成:675,829(49.4%)反対:692,996(50.6%)となり、否決されました。

以下、ニュースリンクを貼りつけます。

政令指定都市の大阪市を廃止して4つの特別区に再編するいわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票は「反対」が「賛成」を上回って多数となりました。これにより、「大阪都構想」は実現には至らず、いまの大阪市が存続することになりました。

以下、全文を読む

この「大阪都構想」の住民投票、賛成派は大阪維新の会と公明党でした。
逆にそれ以外の自民党、立憲民主党、共産党を中心とした政党が反対派になりました。

賛成派の意見としては「大阪市を4つの特別区にすることで、大阪府と大阪市の二重行政を無くし、将来的に大阪全体の成長に繋がる」というもの、反対派の意見としては「大阪市を解体することで、政令指定都市としての優遇がなくなり、行政サービスが低下する」というものでした。

今回の住民投票の結果により、大阪市は今後も存続することになります。

今回の投票率と年齢別賛否の状況

今回の住民投票の投票率は以下の通りです。

有権者数 2,205,730 / 投票率 62.35

前回より投票率は5%ほどダウンしました。

年齢別の賛否の状況ですが、

10代は  「賛成」と「反対」が 46:54
20代は  「賛成」と「反対」が 51:49
30代は  「賛成」と「反対」が 55:45
40代は  「賛成」と「反対」が 56:44
50代は  「賛成」と「反対」が 51:49
60代は  「賛成」と「反対」が 47:53
70歳以上は「賛成」と「反対」が 39:61

というような状況です。
これだけ見ると、本当に拮抗している状況であったことが分かります。

「住民投票」が必要になるとき

当ブログ「根拠のとびら」で以前記事を書きましたが、日本の政治は基本的に間接民主制を採用しております。

国民が政治について直接賛否の投票を行うのではなく、選挙で選ばれた人が行う政策で政治が運用される仕組みです。

【政治】国民投票が必要となるケース【憲法】

以下、全文を読む

記事にある通り、国民投票が必要となるのは、以下の3つの場合です。

直接民主制が必要となる条件

1 憲法改正の国民投票
2 最高裁判所裁判官の国民投票
3 住民投票

この中で、「3 住民投票」については、地方自治において条例の制定、改廃を求めること、また市政について監査請求を行うことができるものとなり、今回の「大阪都構想」についても、その地域に住んでいる方が大きく影響がでる政策ですので、「住民投票」が行われたというわけです。

ところで、今回の「大阪都構想」の住民投票は2回目です。
前回の結果もわずかに反対多数となり、否決されました。
住民投票を行うことは、地方自治において正当性がある行為ですが、「同じ内容で住民投票をもう一度行うということ」自体に問題はないのでしょうか?

一事不再議の原則

一事不再議の原則について、Wikipediaを引用します。

一事不再議(いちじふさいぎ)とは、会議原則の一つ。 会議において一度議決した案件と同一の案件については再び同一会議中(同一会期中)に議題として取り上げて審議や議決を行うことはできないという原則。

Wikipedia:一事不再議

「一事不再議」とはつまり、一度議会において否決されたことを再度審議しないという原則です。

最初の議会で否決されたことを、同じ内容で今度は可決してしまっては、最初の審議は何であったかという話になるからですね。

但し、「一事不再議」とは原則としての考えであって、憲法、法律、条令などで規定されているわけではありません。

効率的な審議のために、何度も同じ内容のものを議題にするべきでない、という考え方であり、法的拘束力はないものの社会通念上この原則の上、議会は運営されるべきとされています。

今回の「大阪都構想」については2回目の住民投票となりましたが、これが「一事不再議の原則」から実施すべきでないという意見もありました。

しかしながら、もう一度「大阪都構想」の住民投票をするべく、大阪府知事、大阪市長のダブル選挙を大阪維新の会が大勝し、2度目の住民投票にこぎつけたという背景がありました。

そうして臨んだ今回の住民投票、先に行われた大阪府知事選、大阪市長選で大勝したにもかかわらず、大阪都構想では否決という結果となりました。

今回の選挙の結果、個人的に残念なものと感じました。ただ、地方自治における住民投票の重要性や、国民一人一人の一票の重み、投票そのものへの関心という観点から、特に若い世代に対して大きく寄与できたのではないかと思っています。「大阪都構想」は否決されましたが、大阪維新の会への支持率は依然として高いものであり、大阪を良くしたいという思い、実際の政策にも国民は目を向けているのではないかと思います。