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【男系・女系】「皇位の安定継承」とは【皇室典範改正】

当ブログ「根拠のとびら」では皇室関連のニュースについても記事にしたいと思っています。 

一市民にとって、皇室の方とお知り合いになることなど、ほとんど無いことです。
それ故、皇室制度にあまり興味がない方もいらっしゃるのかなと私は思います。
一方で、昨年2019年に天皇陛下の退位と即位が行われ、令和の時代が始まりました。
その時のことを多くのメディアが報道したことにより、皇室の行事とはこのように行われているのかと、全世界の人が興味を持ったことと思います。

一市民が市政を語る上で、地方自治と国政の違いをよく把握しておく必要がありますし、国政を勉強する上で、日本の皇室制度を避けて通ることができません。

今回の記事では、皇室制度の中でも多く報道されている、「皇位の安定継承」について、以下に記します。

【ニュース】国会 衆院予算委 日本学術会議や皇位継承の確保などめぐり論戦

先日、以下のニュースが報道されました。

国会では、午後も、衆議院予算委員会で質疑が行われ、「日本学術会議」が推薦した会員候補6人が任命されなかったことや、安定的な皇位継承の確保などをめぐって論戦が交わされました。

以下、全文を読む。

内容としまして、「日本学術会議」が推薦した会員候補6人が任命されなかった件について、2回目の住民投票となりました「大阪都構想」が否決された件について、そして安定的な皇位継承の確保をめぐり『立皇嗣の礼』(りっこうしのれい)のあと国会にて議論をする件について、となります。

今回議論をされていました「国会」は国の唯一の立法機関であり、国権の最高機関の役目を担っています。(「国会」に関しては別記事で記載しています。)

しかし、皇位継承に関する内容を、立法機関である国会で議論するということは、どういうことなのでしょうか?

国会が皇室に関与する理由

皇位継承を含め、皇室に関する内容の根拠は「皇室典範」にあります。
現在の皇室典範は、昭和22年(1947年)1月16日に公布されました。
それ以前にも皇室典範はありました。
しかし現在の皇室典範が公布されるとともに「旧・皇室典範」として廃止されています。

「旧・皇室典範」は、現在の国会の前身である「帝国議会」では干渉することが出来ませんでした。
大日本帝国憲法と並ぶものであり、二つを合わせて「典憲」としておりました。

現在の皇室典範は、日本国憲法の施行と同時に施行されました。
昭和22年(1947年)5月3日のことです。
5月3日は憲法記念日ですね。

そして、新しい皇室典範は、「皇室制度に国民の代表である国会が関与すること」となったのです。

他の法律と同様に、皇室典範の改正は国会の議決で行わるようになったということです。

「旧・皇室典範」から現在「皇室典範」に改正され、皇室典範の改正自体、他の法律同様、国会で審議・議決されるようになりました。よって国会が国民を代表して皇室制度のあり方を議論するようになったというわけです。今回のニュースの根拠はここにあります。

皇位の継承とは

現在の憲法、皇室典範における「皇位の継承」の根拠は以下の通りです。

日本国憲法第二条
「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」

皇室典範第一条
「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」

皇室典範第二条
「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」

ポイントは2つです。

一つ目、憲法に皇位の定めとして、「世襲であるという点」「国会の議決で定めた皇室典範に定めるという点」を規定しているということ。

二つ目、皇室典範にのおいて、「皇位は男系男子が継承する」ということを規定している点です。

憲法においては「世襲であること」を必要としていて、皇室典範においては「男系男子が継承する」ということを規定しています。

今回のニュースで報道されていたのは、「安定的な皇位継承を目的とし、女系天皇の容認」を議論する、というものでした。

憲法を改正するには、衆院・参院においてなされる「発議」、そして国民投票が必要です。
非常に高いハードルが存在します。
しかし今回の報道は、皇室典範の内容に関するものですから、国会において議決できる内容です。

つまり皇室典範に定める「男系男子」の改正について議論する、というものです。

現在の皇位は、「男系男子」が継承することと規定されています。
なぜ皇室典範では、「男系男子」と規定されているのでしょうか?
今後国会で議論される「女系天皇の容認」とは、どういうことなのでしょうか?

「男系」とは?

以前「【天皇】日本の成り立ち【皇室】」という記事に記載しました。

「男系」とは、その人のお父さんをたどる、という意味です。

今上天皇(現在の天皇のこと、つまり「天皇陛下」のことです)のお父さんは平成天皇です。
平成天皇のお父さんは昭和天皇です。
昭和天皇のお父さんは大正天皇、大正天皇のお父さんは明治天皇です。

このように、天皇陛下だった人のお父さんはをたどっていくと、最後は初代天皇である神武天皇に繋がります。

これまで126代続いてきた天皇の血筋はすべて、日本を建国したとされる神武天皇に繋がっているのです。

途中、親子で皇位継承がされなかったというケースがいくつもありますが、これまですべての天皇の父方の血筋をたどると、必ず神武天皇に繋がります。

これが「男系の継承」という意味です。

「男系」というと男系男子がセットのように思えてしまいますが、愛子様も眞子様も佳子様も皆、男系の血筋をお持ちです。
男系の血筋の方とは、父方の血筋をたどると神武天皇に繋がるということです。
その方の性別は関係ありません。
皆さま、「男系女子」というわけです。

もし仮に愛子様や眞子様や佳子様が一般の方とご結婚されお子様を授かった場合、そのお子様は性別に関係なく、皇統の血筋から離れます。

お相手の父方の血筋をたどっても、神武天皇には決して繋がらないからです。

では、悠仁様の場合はどうかというと、悠仁様は「男系の男子」です。
悠仁様が仮にどなたかとご結婚され、その方との間にお子様が生まれたとしたならば、そのお子様のお父様は悠仁様で、悠仁様のお父様は秋篠宮様です。
その父方の血筋をたどると、最後は神武天皇に繋がります。
つまり男系の血筋となるわけで、そのお子様は「男系男子」か「男系女子」になるわけです。

「男系」ってとても分かりづらい!

「皇位の安定継承」とは

今回の記事のテーマである「皇位の安定継承」とは、どういうことかと言いますと、現在の皇室典範においては、皇位継承は「男系の男子」にしか、その権利がありません。

故に、皇位継承を安定化させるためには、法律相当である皇室典範第一条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」という条文を改定しようとしているわけです。

その方法は、二つ。

一つは、皇位継承に「男系の女子」を含めるというもの。
もう一つは、「女系天皇」を容認するというもの。

1つ目は、愛子様や眞子様、佳子様に皇位を継承できるようにする、というものです。

しかし、仮にこの御三方の内、誰かが皇位を継承したとしても、そのお子様は「男系」から離れます。(結婚のお相手となる方が皇族以外の一般人である場合)

「男系女子」に皇位継承を認めれば、愛子様や眞子様、佳子様は皇位継承できますが、お子様は性別に関わらず、決して皇位継承をすることができません。
お子様が男子であっても、「女系男子」ですから継承権がありません。
そのお子様が天皇陛下となった場合、「女系天皇」となってしまうからです。
そうなると、結局「皇位継承の安定化」にはつながりません。

よって、2つ目の「女系天皇」の容認について議論したい、ということになるわけです。

しかし、果たして「女系天皇の容認」とは、「皇位の安定継承」に繋がるのでしょうか?

女系天皇の容認が「皇位の安定継承」に繋がるか

結論から述べますと、残念ながらそうはならないでしょう。
それどころか、皇位そのものが瞬く間に廃れていくでしょう。

理由は簡単です。
そもそも「天皇」とは何か? という問いに答えがありません。
そこにはこれまで続いてきた「歴史」があるだけです。
「歴史」とは、天皇の血筋をたどっていくと、日本を建国した神武天皇に繋がるということです。
神武天皇より更に過去に遡りますと、いよいよ日本神話に繋がります。
全世界を見ても、こんな血筋は存在しません。
とんでもないレアリティのあるお話です。

「女系天皇」を認めるということは、こうした歴史のすべてを無くすということに他ならないのです。
これが「女系天皇」を認めると、瞬く間に皇位が廃れていくとした理由です。

「皇位の安定継承」のために必要なこと

それでは、「女系天皇」を認めず、皇位の安定継承を求めることはできるのでしょうか?

その答えは「旧・宮家」にあります。

前世界大戦にて敗戦した日本は、GHQの意向により、皇室財産が国庫に扱いを移し、皇室の維持が困難なものになりました。
そして最終的に、11宮家 51名もの方が皇籍を離脱されたのです。

その時の根拠は、現在の皇室典範にあります。
以下に内容を引用します。

11宮家51名の皇籍離脱は、形式上は現行の皇室典範の第11条第1項「その意思に基き、皇室会議の議により」、第11条第2項「やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により」もしくは第14条「その意思により」または第13条「皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる」によってそれぞれ行なわれた。

Wikipedia「旧皇族」

皇位の安定継承というのは、あくまで「男系男子」によるものでなくてはなりません。
そして、現在成人以下の年齢において、「男系男子」の血筋を持つ皇族の方は、秋篠宮悠仁様以外にいらっしゃいません。
そうなると、遠くない将来において、皇位の安定継承としては大いに問題があるのではと、報道にあるように国会で議論をしているわけです。

「旧・宮家」を議題に出すということは、つまり、悠仁様以外にも「男系男子」の血筋をお持ちの方が「旧・宮家」の中にいらっしゃるということです。

但し、旧・宮家は一度皇族から離れており、皇室典範には「皇族から離脱された場合」の復帰を認めておりません。
皇室典範の改正を要するということです。

「皇位の安定継承」のために必要なこと、それは「女系天皇を認める皇室典範の改正」ではありません。
「旧・宮家の皇族復帰を認める皇室典範の改正」が必要なのです。

それを出来るのは、「唯一の立法機関」であり「国権の最高機関」である国会でしかできないことなのです。

「皇位の安定継承」のために、一日も早い「皇室典範の改正」の議論を今後も推し進めていただきたいと願います。